Jun 29, 2015

ミシマ社 / コーヒーと一冊

ミシマ社 コーヒーと一冊
本を一冊読み切る喜びや余韻を味わいたい、という願いに応えたシリーズがミシマ社より創刊されました。「コーヒーと一冊」と名付けられたこのシリーズは、100頁前後のコンパクトな仕上がりで、その名の通りコーヒータイムに読み切ることもできる本です。見た目はまるでノートのような装丁で、手に取るととても軽くバッグにスルッと入れて持ち歩けます。

ミシマ社 コーヒーと一冊
価格はそれぞれ¥1,000+tax

装丁デザインは文平銀座さんで一冊ずつとてもユニークです。
「コーヒーと一冊」というタイトルとイメージキャラクター(?)のくじらがそれぞれの表紙の片隅に小さく載っています。このくじらが「オモシロイヨ」と誘っているのがすでに面白いです!

今回、まず第一弾として出版されたのが、「佐藤ジュンコのひとり飯な日々」佐藤ジュンコ、「透明の棋士」北野新太(きたの あらた)、「声に出して読みづらいロシア人」松樟太郎(まつ くすたろう)の三タイトルです。どれから読もうかと迷うところですが、タイトルに一目惚れした「声に出して読みづらいロシア人」から読んでみました。
ミシマ社 コーヒーと一冊
これはタイトル通り、長くて読みづらい名前をひたすら面白おかしく追求したロシア人名鑑ですが、あまりの面白さに顔は緩みっぱなしで思わず声を出して笑ってしまうことも・・・正直なところカフェでコーヒーを飲みながら、というのはかなり危険です!
著者の松樟太郎さんはロシア語学科を卒業、現在は雑誌の編集長をされていますが、この本では軽妙な語り口調でロシア人の名前を解説するだけでなく、その背景にある歴史や文化、芸術に関することまで語られていて、笑いながら勉強できるという有難い本です。イラストは「おじさん図鑑」のなかむらるみさんです。

「佐藤ジュンコのひとり飯な日々」は、仙台在住のイラストレーター佐藤ジュンコさんが、仙台暮らしの日々とごはんを描いた漫画で、ほのぼのしたお話と絵にとても癒されます。「透明の棋士」は、新聞記者でもある北野新太さんが熱く綴る将棋と棋士の世界。羽生善治はじめ数多くの棋士を取材したノンフィクションは、将棋を知らない人でも夢中になる一冊です。


ミシマ社 コーヒーと一冊
このシリーズは半年ごとに三冊ずつ同時出版される予定です!

取扱い店舗。
アンジェ ANGERS SHOP INFO
クロッシェ crochet SHOP INFO
ノイシュタット Neustadt SHOP INFO
グリンストア GRiN store SHOP INFO



Jun 12, 2015

ANDO GALLERY / ANDO’S GLASS


今日はイギリスを代表するプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンさんによるデザインのグラス「ANDO’S GLASS/アンドーズ グラス」のご紹介です。ネーミングの「ANDO’S」と言うのは、ギャラリーの運営、アート・建築・デザインのプロデュースなど多岐にわたる活動をされているアンドーギャラリーの安東孝一さんにちなんでいます。2012年に、安東さんが「普段使いできるシンプルなグラスをデザインしてほしい」とモリソンさんに依頼したことから誕生したグラスなのです。

ANDO'S GLASS
ANDO'S GLASS S(ショート)とT(トール)どちらも¥1800+税
S:φ80×H78mm 容量:350ml本体重量:83g 
T:φ68×H106mm 容量:350ml本体重量:89g 
パッケージデザイン:葛西薫

弊店とアンドーギャラリーさんとは、2002年の発売以来、必要最小限のシンプルなグラフィックと余白が大きく書き込みのしやすさで人気商品となった、日本を代表するアートディレクター葛西薫氏が手がけたカレンダーの取扱いをきっかけに長くお付き合いをさせていただいていました。こちらはもともと安東さんと葛西さんが自分たちで使いたいというパーソナルなきっかけで生まれたものだそうです。

そんな安東さんがカレンダーの次に手がけたのは普通の人の身の回りにある日常品で、誰もが使わなくてはならないもの「グラス」でした。

ANDO'S GLASS
今から20年くらい前、安東さんが青山のあるインテリアショップを訪れた際、ジャスパー・モリソンさんデザインの「プライチェア」に一目ぼれし、その合板でありながらチープさのない上品な素材感、美しさ、座り心地に大変驚きいつか一緒に仕事をしたいと思われたそうです。

ジャスパー・モリソンさんといえばMAGIS、Vitra、ALESSIでのデザインワークで有名なイギリスを代表するデザイナーですが、無印良品のカトラリーやソファ、及源の南部鉄器、美濃和紙を使ったフロア照明「The Porcini Family」など日本でも多くのデザインを手がけられています。

2012年たまたまとあるパーティにて安東さんはジャスパー・モリソンさんと出会い、温めていたグラスのデザインを依頼。
モリソンさんの東京事務所とギャラリーが近いということもあり、なんとモリソンさんが自転車で来社されてこのプロジェクトはスタートしたそうです。

ANDO'S GLASS
それから半年後に届いた1枚のスケッチ。そこにはケルン考古学博物館で見たローマングラスの記憶から生まれたシンプルながら飽きのこない繊細なラインと、これから生まれてくるグラスの魅力が表現されていました。
やや傾斜のある側面と底にいたるまでの曲線の美しさ、これは電球用のガラス製造で培われた薄吹きの製法を使い熟練の職人が手がけることにより成り立っています。松徳硝子のうすはりシリーズよりも若干厚くおよそ1.2mm、重量は2サイズともに80g程度。ほんのわずかに調整することで、安心感と何ともいえない口当たりの良さにつながっています。
素材はバリウムクリスタル。ガラスの硬度が高いためキズが付きにくく壊れにくいという特徴があります。

日常で誰でも使えるシンプルなグラスだからこそどんなシチュエーション、どんな飲み物でも使っていただけます。毎日の食卓でこそ活躍するグラスなのではないでしょうか。そんなグラスですので、我が家でも毎日のように使っているのですが、これからの季節にぴったりのドリンクがこちらのレモンスカッシュです。
ANDO'S GLASS
レモン半分を絞ってたっぷりの砂糖をいれて炭酸水で割るだけの簡単ドリンクですが、
ビタミンCに加えビタミンB1、クエン酸も含んでいるので美肌効果だけでなく夏バテ、疲労回復にも効果的です。

安東さんの「普通の人が普通の生活で楽しんでほしい。」そんな言葉を限りなく表現しているのがこちらのANDO'S GLASSです。



ただ今新宿店では、いろいろな素敵なグラスを取扱っております。iittalaのカルティオやイイホシユミコさんのタンブラー、松徳硝子のうすはりなどがありますが、どうぞお気に入りのグラスをお探しにご来店ください。
ANDO'S GLASS

ANDO’S GLASS取扱い店舗。
アンジェ 河原町店、梅田店、新宿店、烏丸店、武蔵小杉店 ANGERS SHOP INFO
ノイシュタット箕面店 Neustadt SHOP INFO

May 28, 2015

K.KAJU / Silver accessory


皆さま、有難うございます。
おかげさまで、この5月28日、アンジェ河原町本店は22周年を迎えることができました。同じ場所で長く営業し続けられていることに感謝しつつ、これからまた1年、上質で美しいデザインのある暮らしを提案し続けてまいりたいと思います。

さて、1993年に開店しました河原町本店ですが、当時から20年以上にわたり定番で販売しているロングセラーアイテムというものがたくさんあります。
たとえば、パーカーやフィッシャーの筆記具や柳宗理さんのキッチンアイテム、かまわぬの手拭、スチール製のペンダントライトなど、他にもいろいろんなアイテムがあるのですが、今日はその中から、京都のアトリエにてデザイン、製造されている「K・KAJU(ケイ・カジュ)」のシルバーアクセサリーをご紹介します。

K.KAJU accessory

ケイ・カジュは、沖縄出身のデザイナー奥西和(かず)さんにより、1986年に誕生したブランドです。デザインは、自然のモチーフや身近なモノからインスピレーションされ、そのひとつずつがハンドメイドされています。また、素材は999純銀や925スターリングシルバー、天然淡水パールや天然石が使われており、自然の恵みやあたたかみを、目や肌で感じさせてくれるアクセサリーです。

そんなケイ・カジュから、当店で長年販売続けているシリーズと、この夏のオススメをご紹介したいと思います。

ロングセラーシリーズ
ベルティIIのネックレス(2001年発売)/コルンのリング(2008年発売)/
グラインIIのピアス(2004年発売)

K.KAJU accessory
左から¥4,100+tax/¥4,100+tax/¥3,500+tax

ここ数年で発売されたシリーズでの人気アイテムです。
プクプクのリング/メテオのネックレス
K.KAJU accessory
リング¥4,900+tax/ネックレス¥4,600+tax

この春の新作です。スタッフおすすめのシリーズをチョイスしました。
左からミルクン/a wa na no/mizu/ジャグリン
K.KAJU accessory


この白上げマット加工という仕上げはケイ・カジュ独自のもの。
一つひとつの少しずつ違った表情と、身につけていくうちに微妙に変化していく風合いを楽しめるのもハンドメイドならではです。
K.KAJU accessory
ダリアのリング¥4,800+tax/セラのネックレス¥5,900+tax/パパパのピアス¥4,100+tax

30年間、コンセプトの変らない美しいデザインと良い素材、それに独自の技術を加えての物つくり、そのようなことが今も人気ブランドの所以だと思います。弊店も22年を機に、あらためて刺激を受けるところです。



*東京KITTE丸の内店では、ペアアイテムを充実。丸の内店開業時に、特別に定番外のメンズサイズをいろいろ企画をして頂きました。
K.KAJU accessory

*新宿店は、都内随一の品揃えです。ごゆっくりお選びください。
K.KAJU accessory

取扱い店舗。※店舗により扱いアイテムがさまざまです。
アンジェ 河原町店、梅田店、新宿店、丸の内店 ANGERS SHOP INFO
クロッシェ大日店 crochet SHOP INFO
ノイシュタット箕面店 Neustadt SHOP INFO
グリンストア 伊丹店、名古屋店 GRiN store SHOP INFO

May 1, 2015

Pentel / KERRY


1971年に発売されたぺんてるのキャップ式シャープペンシル「KERRY」。
今年で44年目を迎えるロングセラーアイテムです。
Pentel KERRY
ぺんてる ケリー(限定色) ¥1,800+tax


この1971年という年、実はいろいろなメジャーな新製品が生まれた年なのですが、代表格は日清カップヌードルでしょうか。他にもマクドナルド、ミスタードーナツがそれぞれ日本1号店をつくったり、テレビでは仮面ライダー、小柳ルミ子などが活躍した頃でした。
私どもの店舗で取扱いしているものの中でも、それに近い年代の60~70年代に発売されたものがたくさんあります。例えば文房具では、同じくぺんてるのサインペン(1960年)、トンボのmono消しゴム(1969年)、キッチンアイテムでしたら柳宗理ディレクションのステンレスカトラリー(1974年)などなど、さらに時代を50年~80年代に幅を、外国製にまで目を広げれば、今でも定番としてたくさん製品が存在し、店頭で販売されています。
Pentel KERRY
ロングライフデザインと言う言葉がありますが、何十年と製造され販売され続けるものには、暮らしに役立ち、生活に溶け込む、質の高い技術やデザインがこめらているのでしょう。


さて、本題のケリーですが、アルミ製キャップとプラスチックボディの組合せに、渋いメタリックカラーが施されています。ボディの真ん中にあるシルバーのギザギザ部分には真鍮が使用され、素材の質感とともに適度な重量をもたせることで高級感、書き心地を追求されているのかと思います。
Pentel KERRY

正式名称は「万年CIL ケリー」と言って、当時のぺんてる社がシャープペンシルを万年筆の様に使いこなす、とのコンセプトで開発されたとのことですが、そのポイントして、キャップ式を採用したことが大きな特徴かと思います。
通常、芯を繰り出すのにノックボタンが必要なシャープペンに、キャップ式を採用しようという、ぺんてる社のチャレンジ精神と言うか柔軟な発想と言うのか、僕はその部分に強く引かれるものです。

このキャップの頭についているボタンは、収納時は引っ込んでいてガタガタもしません。使用時に後ろにさすとわずかに飛び出して、それをノックすればちゃんと芯がでてくるという、う〜んと唸らせる構造です。また、そのノックボタンを引っ張ると消しゴムも出てきます。
Pentel KERRY
0.5ミリ芯の収納は12本。
キャップをしめる時と,後ろにさす時の「カチッ」という音も心地よいです。


Pentel KERRY
万年筆のようなボディデザインで、キャップ式ですから、ケリーを知らない人の前で使うと、それがシャープペンとは即座には気が付かれないのではと思います。なので自分自身、ケリーで文字や絵をかいていると、シャープペンシルを使っていると言うより、何かしら万年筆に近い、きりっとした感覚を覚えるのですが、それがまさにぺんてるの開発時のコンセプトなのでしょう。

Pentel KERRY
写真の、レポートパッド上のケリーは、すべて限定カラーです。右からブロンズゴールド、オレンジ、カーキは1,800円+税、その左のレッドは、海外向けカラーで逆輸入アイテムです。このレッドは現在品切れ中で、秋頃には入荷するかな?と思います。そして、左端の黒と金のタイプは、ケリーが発売された当時の名称「Pentel 5」を冠した高級版「ゴールドケリー」で,今後復刻される予定です。年末に向けての発売を期待して待っています。ゴールドケリーは、4,000~5,000円の価格が予定されています。
(奥のペントレー上のカラーは定番カラーです。1,500円+税)

たくさんカラーのあるケリーですが、何色かのボディカラーそれぞれにカラー芯を分けてセットしてお使いの方や、コレクターの方もおられたりする世界にファンの多い「Pentel KERRY」。
一度お使い頂ければロングセラーであることに納得頂けるのではないでしょうか。

*各店舗により取扱色に違いがございますのでお問合せは、各店舗宛にお願い致します。

ANGERS SHOP INFO

Apr 17, 2015

Airplane Model



若い頃から飛行機大好き野郎ということがあって,売場にも開業当初からミニチュアモデルやら、エアラインバッグを扱っていました。それが年月とともにだんだんエスカレートして「全日空」のビジネスシートから発着ボードパタパタフラップまで買付け、マニアック路線まっしぐらの時代もあったのですが、近頃は、ややコアな物は仕入れを控え、インテリアにも馴染みやすい、エアプレーンモデルを扱っております。
そんな中から、オススメの機体、数機をどうぞごらん下さい。

今回、都内にあるアンジェビュロー2店から。(写真:上野店店内)
Airplane Model
ビュロー エキュート上野店、ビュロー KITTE丸の内店ですが、アンジェ ビュローは書斎をテーマにしたステイショナリーが主な品揃えの店舗で、ややアメリカ色の強いセレクトをしています。筆記具でしたらパーカー、シェーファーなどのブランドを多目に選んで扱っているようなイメージです。
そのような雰囲気でのインテリアとしてのエアラインモデルは、第一にパンナムで、あとはブラニフ、ピードモントなどを主力機としています。機体は787などの最新機ではなく、懐かしめのボーイング707や727、DC-7、DC-10など。と言うことで、今はもうなきエアライン社やクラッシックな機体を主に、ほぼ自分の趣味のみで選ばせてもらっています。

DC-7 PANAM
DC-7 PANAM
4つのプロペラにパンナムのレトロなデザインが施された機体です。大人の書斎のムードを醸します。こちらのモデル、今在庫余裕ありです。32,000円+税


ボーイング707 VC137 Air Force One / アメリカ大統領専用機。
VC137 Air Force One
B707は1950年代から30年以上製造され続けたベストセラー機で、旅客機がプロペラ機からジェット機に移り行く黎明期の代表的な機体です。写真にも見える垂直尾翼から前方にすっと伸びるアンテナが707の特徴で、かっこよさのポイントです。
このエアフォースワンの機体デザインは、世界一美しいバードデザインと言われるタバコの「PEACE」や、洋菓子の不二家のマークのデザインなどでも馴染み深い工業デザイナー、レイモンド・ローウィが担当したものです。11,000円+税(現在丸の内店のみで取り扱い。)


YS-11 PIEDMONT
YS-11 PIEDMONT
日本が世界に誇る国産飛行機、YS-11は、1960年代~70年代まで製造され、世界各国に輸出されました。現在は自衛隊や海外にて現役使用されています。
ピードモント航空は、1950年頃から80年代まで存在したアメリカの大手航空会社でしたが、今はUSエア傘下となっています。このエアラインは、当時の機体デザイン、ロゴやマークがかっこ良く、パンナムと並んでお気に入りセレクトしています。このワイエスジュウイチとピードモントの組合せは、大のお気に入りで、じーっと長時間見ていても飽きません・・・
そして、この写真のプレーンモデルは年に一機あるかな、、と言うレアモデルなのです。34,000円+税(現在上野店のみで取り扱い。)


KITTE丸の内店の窓から。
東京駅に出入りする電車パノラマとプレーンモデル。
Airplane Model


経年変化とカスタマイズ性が楽しいトラベーラーズノートの限定パンナムシリーズとの組合せもあり。
Airplane Model


ビュロー店以外の他店では欧州エアラインモデルが主です。
そちらはまたの機会に・・!

Apr 1, 2015

川端康成 / 古都

今回は文庫本のご紹介です。

「古都」は、よく学生時代に読まれる本というイメージもあるのですが、自分は最近読みました。
おおまかなあらすじは、京都の山間、北山杉の村に双子の姉妹が生まれ、ひとりはその生家で育てられ、ひとりは捨て子として室町の裕福な商家に引き取られます。
田舎暮らしの質素な苗子と、美しく端正に育った捨て子の千重子は、互いの存在を知らぬまま成長しますが、二十歳となった祇園祭りで二人が出会います。昭和の京都を舞台に、姉妹の切ない物語が、春に始まる四季折々の祭りや風物の情景を背景にしながら繰り広げられる小説です。


この本を、手にしたきっかけは、なにかの書評で春の表現がとても美しく書かれていたのが気になったことからでした。そのあたりを少しつらつらと。


第1章は春です。ー部以下引用。
ー もみじの古木の幹に、すみれの花がひらいたのを、千重子は見つけた。「ああ、今年も咲いた。」と、千重子は春のやさしさに出会った。ー

曲がりくねった老木の、千重子の背たけほどのところに、1尺ほど離れて2株のすみれが毎年咲くようです。何度読んでも、美しく、ほの悲しい、春との再会を感じる書き出しではじまります。

ー「上のすみれと下のすみれとは、会うことがあるのかしら。おたがいに知っているのかしら。」 ー

2株のすみれ、うねった老木の幹が、姉妹のおかれた境遇に比喩されていると思いますが、この小説を読み返す時、姉妹の切ない運命が心に染み入るところです。

そんな、花ぐもりぎみのやわらかい春の日からはじまります。



夏、秋、冬のはんなりした情景が、ページを繰るごとに浮かび、物語は進みます。
また、全編にわたっての京都弁がいっそう古都を盛り上げるのですが、川端康成氏は,あとがきの中で、京都の人に頼んで言葉を直してもらったと書かれています。

ー「そんなとこで、よう咲いとおくれやしたな」ー
ー「今の親が可愛がってくれはるし、もうさがす気はあらしまへん。
うみの親は、仇野のあたりの無縁仏のうちにでもおいやすやろか。あの石はみな古うおすけれど、、、。」ー

ゆっくり読みますと、遠い子供の頃に聞いた、親戚のおばちゃんたちのイントネーションが思い出され、「いややわあ、よういわんわあ」などの、にぎやかなおしゃべり場面が目に浮かびます。



まだ京都の慣習、言葉などが色濃くあった昭和30年代の四季折々の名所や風物、そして,京ことば。はんなりな文庫片手に、春の京都散策など、いかがどすか。。。

お求めはお近くの書店にて、新潮文庫の棚にあります。

Mar 14, 2015

延興寺窯


鳥取から島根にまたがる山陰地方の器は、弊店でも人気のアイテム。
少々赤みのある山陰の陶土を生地に(ブレンド有り)、ほどよい厚みに成形し、
各地の窯元ごとの独自の釉薬をかけ、火で焼き、美しい器が仕上がります。

今回はその中から、おひとつ。
鳥取県の延興寺窯(えんごうじがま)のお茶碗です。

白い釉薬と生地の色があいまっての美しい濃淡、そして手触り。
ぽってり柔らかいといった感じではない厚みとフォルムの組合せに、強さとやさしさを感じます。作り手の親方、山下さんのお人柄でしょうか。


普段のお気に入りのメニュー、しらすおろしごはん。
ごはんの上に大根おろし、そのまた上に釜揚げしらす、そして、出汁醤油かポン酢をさっとかけていただきます。白の器と白の食材、視覚、味覚と至福の一膳です。


山陰の器は他にも、出西窯、湯町窯など、いろいろ取扱いございます。
追々、日本各地の器いろいろ、ご紹介していきたいと思います。
延興寺窯 河原町店

出西窯(柳宗理ディレクションシリーズ) 河原町店、梅田店、新宿店

湯町窯 梅田店

ANGERS SHOP INFO