Jul 17, 2015

黒柄のカトラリー

黒柄のカトラリー
アンジェ本店の開業時から取り扱いのある柳宗理デザインのキッチンシリーズ、その中でも今回は黒柄のカトラリーについてのお話を少し。
私が勤務を始めたのは13年ほど前ですので、その頃から店頭にはもちろん並んでいましたが、1本2000円前後するカトラリーは当時の私にはとても高価なもの(もちろん今も高価ではあります...)。そんなカトラリーを手に入れたのは約10年前。当時、雑誌「casaブルータス」で柳宗理さんの特集があり、その誌面の中で使い込んだ黒柄のカトラリーが掲載されているのを見て、経年を楽しみながら長く愛用できるカトラリーなんだと感化されすぐに購入を決意しました。

柳宗理デザイン カトラリー

実際に使ってみると少し重みのあるカトラリーではありますが、それが逆に安定感をもたらします。黒柄部分は、カバ材の積層強化木が使用され、少し楕円の丸みある形状で持ちやすく、また、柄とステンレスが一体型で接合されているので、ステンレス部分も柄に近い部分は厚みが増しているので、口当たりよく、手に優しく感じます。
現在、この柄とステンレスを接合して仕上げられる技術のある職人は3人だけだとか...。美しいカトラリーが生み出される工程の精度の高さが伺えます。
柳宗理デザイン カトラリー


もう一点今回ご紹介したいのも同じく黒柄のカトラリー。こちらはDavid Mellor(デビッド・メラー)デザインによるProvencal Black(プロヴァンサル ブラック)、1975年に登場したシリーズです。
David Mellor Cutlery
デビッド・メラーはイギリスの著名なプロダクトデザイナーです。晩餐会などに向けたフォーマルなラインのカトラリーもありますが、日常使いにおすすめしたいシリーズが今回のプロヴァンサル。先述の柳デザインのカトラリーと同じく黒柄の持ち手が優しく手に馴染みます。こちらのマットな質感の持ち手はアセタール樹脂を使用しており、水気に強いのも特徴のひとつ。柳デザインの黒柄に比べ幅広で少しぽってりとした印象ですが、真鍮のリベット留めがあることで、ピリッとしたカッコよさが加わります。

David Mellor Cutlery
こちらは柄で挟み込んでいるつくりで、ステンレス部分の厚さが均一なので、口当たりはオールステンレスのタイプと近く、普段ステンレスのカトラリーを使われている方も馴染みやすいのはないでしょうか。個人的には使い慣れた柳のものに比べ少し大きく感じるので、このあたりはお国柄といいますか、柳デザインが日本人の生活に合うようよく考慮されているのを実感したりします。プロヴァンサルは黒柄とも絶妙なバランスのステンレス部分のカーブが私の心惹かれるポイントでもありますが、長年愛用しているイタリアブランドのスペルガのスニーカーの「なんだかあか抜けないというか、懐かしい安心感を与えてくれる」ラインに通ずる感はロングセラーならではのデザインの共通点でしょうか。。

日本、イギリスの著名なデザイナーである、柳宗理氏と、デビッド・メラー氏、それぞれが使い心地を最優先し長く愛用されるようにデザインし、そして職人の技を用いて造り出されたカトラリーは、食卓の上で活躍されること間違いなしです。


柳デザートスプーン
柳デザートスプーン ¥4,800+tax/ARABIA パラティッシ プレートφ26 ¥6,000+tax
カレーやスープを食べるときにおすすめ。スッキリしたデザインの持ち手なので、大柄のパラティッシのプレートとも相性がいい。デザートフォークも丸みのあるつくりで、すくいやすくもあり、細かい食材を食べるときは特におすすめです。

プロヴァンサル スープスプーン
プロヴァンサル スープスプーン ¥3,200+tax/瀬戸本業窯 石皿 ¥11,000+tax
少し大きめのスープスプーンはサービングに使いやすいサイズ。私は大皿に盛った麻婆豆腐によく使いますが、ポテトサラダやちらし寿司を取り分けたりするのにもおすすめ。

プロヴァンサル デザートスプーン
プロヴァンサル デザートスプーン ¥3,000+tax/フルーツスプーン ¥3,000+tax/
ARABIA KOKO ¥3,000+tax

最近のお気に入りの組み合わせ。スープや、丼ぶりメニューにおすすめのシンプルで直線的なデザインのココのボウルと。口が小さめの女性の方やお子さまにはフルーツスプーンが使いやすいサイズ。※写真はデザートスプーン




取扱い店舗。
柳 黒柄カトラリー:アンジェ 河原町店、新宿店
デビッド・メラー:アンジェ 梅田店、烏丸店、武蔵小杉店
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